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17.トラブル対策12
ねじ類の発注ミスが多い訳(部品構成)


19.インサーション・マシン2
シングル・パーツ・ハンドリング


18.インサーション・マシン1 圧力制御

ここからは、クリンチング・ファスナーとは切っても切れない関係にある、 インサーション・マシンについて述べて行く事とします。  インサーション・マシンには多くのメリットがあり、ここからのページでは、 その内容を説明してゆくわけですが、 これまでのページでも、既にインサーション・マシンについては、 述べられています。

5. クリンチング・ファスナー最大のトラブル要因 においては、インサーション・マシンを持っていない板金屋さんには、 クリンチング・ファスナーの仕事を発注すべきではないという事と、その明確な理由を述べました。

“最大のトラブル要因”のページで述べられている 圧力制御あつりょくせいぎょ という概念は、 インサーション・マシンを説明する上でも、最も重要な内容となりますので、 このページでは、インサーション・マシンの圧力制御についてもっと詳細に述べてゆく事とします。

上図は、プレス機の 位置制御いちせいぎょ と、インサーション・マシンの 圧力制御あつりょくせいぎょ の差によって、 プレス機でクリンチング・ファスナーを 圧入あつにゅう すると、不具合が定期的に発生するという事を説明した図です。  これを見た人の中には、

“圧入されたファスナーが全部同じ 圧入強度あつにゅうきょうど を持っていないのは当り前だ !”
“これは微細な 圧入誤差あつにゅうごさ で、考慮に値しない !”

と思われる方もおられるかもしれません。
しかし、この図では表現されていない他の大きな影響因子があります。
それは、クリンチング・ファスナー自体の製品精度 の問題です。  当然、クリンチング・ファスナーの各部位の寸法には 精度せいど というものが存在します。  そして、精度指示には 工差こうさ というものがあり、つまり、何処の部分の寸法であっても、 1つ1つのクリンチング・ファスナーには0.01程度の 誤差ごさ が存在します。
これと、板厚の誤差が運悪く重なり合った時には、 “圧入したクリンチング・ファスナーが外れる”といった事が発生します。

ある意味では、稀にしか発生しないので、 発生した時には、いつも

“このクリンチング・ファスナーだけが不良品だ!”

という話になりますが、 実は、常日頃から外れそうになっているクリンチング・ファスナーを出荷し続けている というのが 本当のところです。

それでは、日本の板金屋さんにおいて、クリンチング・ファスナーを プレスや 蹴飛けと ばしで圧入している板金屋さんは、どの程度いるのでしょうか? 左のグラフは、その比率を示したものです。  設計者の方が、クリンチング・ファスナーを含む板金製品の生産を 板金屋さんに依頼した時、4社のうち1社しか、 正しい圧入は行えないという事を示しています。

関西方面出身 ( 筆者も兵庫出身でおま ) の方が冗談で “ 赤信号、皆で渡れば青信号 ” などと仰る事がありますが、 これはまさに、皆で一緒に仲良く危ない事をしておられるわけです。   当然ながら、赤信号では止まるべきです。


下記の表は、カタログに明記されている クリンチング・ファスナーの圧入後の性能データです。  設計者の皆さんは、このカタログを見て、 プッシュアウト力やトルクアウト力が得られるという前提で設計を行っておられますが、 “蹴飛ばし”や“プレス”で圧入している板金屋さんに、 仕事を頼んでしまうと、 圧入されたファスナーの半数以上でこの性能を得る事は出来ません。

プッシュアウト試験やトルクアウト試験は、製品を破壊しないと実験が出来ないために、 板金屋さんも、そういった事は考えもしないで生産を続けています。

前にも述べましたが、

蹴飛けと ばしや、プレスでも圧入出来ると聞いています。”

という台詞は、板金屋さんの大きな勘違いです。
真っ当なクリンチング・ファスナー・メーカーは、決して、

蹴飛けと ばしや、プレスでも
圧入出来るとは言っておりません。


蹴飛ばしや、プレスでも圧入出来るという間違った噂が広がった理由

−クリンチング・ファスナーだけを扱っているメーカーが流した勘違い−

クリンチング・ファスナーを取り扱っているのは、 一般的には、いわゆる“ねじ屋”さんです。  クリンチング・ファスナーを買おうとした時、 誰でもが“ねじ屋”さんに連絡しようとするからです。 

そんな中で、前にも述べたようにクリンチング・ファスナーは金型の要素も持っており、 ねじ屋さんが片手間で販売する事が出来る程、その技術論は簡単ではありません。  クリンチング・ファスナーの圧入は、板金屋さんで行っている種々の 塑性加工そせいかこう の中で、 最も微細かつ精密な塑性加工であるために、 現場では 圧入技術あつにゅうぎじゅつ を含めてトータルで技術指導を行わないと、 問題が解決しないという場合が、どうしても発生します。 

ねじ屋で解決出来ない問題は、当然、クリンチング・ファスナー・メーカーが解決する必要がありますが、 クリンチング・ファスナー・メーカーには、大きく分けて下記の2種類のメーカーが存在します。

   @ インサーション・マシンとクリンチング・ファスナーの両方を取り扱っているメーカー
   A クリンチング・ファスナーだけを扱っているメーカー

しかし、当然の事ながら、クリンチング・ファスナーだけを扱っているメーカー は、 自分達に責任が無く、技術的も難解な圧入技術の問題は軽視する傾向にあります。  その道のプロではない彼らが、極力きちんと調査しようとしたとしても、 何万個、何十万個のテストを行うはずもなく、 “蹴飛ばしや、プレスでも圧入出来る”のだと勘違いしてしまう のは、むしろ当然の事です。

従って、板金屋さんが悪気があって、 設計者の皆さんを騙そうとしたわけではない事は明らかです。  それを板金屋さんに伝えたであろうメーカーにも悪気は無かった。  でも無かったのは悪気だけではなく、圧入技術も無かった というのが正しい解釈かと思われます。

例えば、価格だけを見て、クリンチング・ファスナーだけを扱っているメーカーから クリンチング・ファスナーを調達し、

圧入問題が発生した時に
対応策が無いといった状況に陥る事は
是非、避けるべきです。



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