クリンチングファスナー・カタログの解説


運営;クリンチングファスナー普及委員会
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クリンチングファスナー・カタログの解説

クリンチングファスナーのカタログには詳細な情報が記載されていますが、 種類も豊富な為に、情報が圧縮された様式となっています。 初めて見る方には、解りにくい部分もあるかと思いますので、 代表的なクリンチングファスナーを例にして、 下記にその解説を行います。



㈱ユーロテック社製クリンチングファスナー最新カタログのダウンロード


上記の中で、解りにくい部分は、プッシュアウトとトルクアウトだろうと思います。
プッシュアウト試験は、ファスナーを引き抜こうとした時の耐力を計測しようとするものであり、 圧入後の板とファスナーの固着強度を表す代表的な評価方法です。
トルクアウト試験は、ファスナーには、ねじが付いている事により、 ねじを締付ける際に、トルク(回転させようとする力)が働きます。 この時に、ファスナー自体も回転してしまっては使い物になりませんので、 クリンチングファスナーにはローレットと言われるギザギザが付いています。 ファスナーは、これによってねじ締付け時に回転しない設計になっていますが、 その耐力を得ようとする実験が、 トルクアウト試験です。 例えば、 ローレットに欠け が発生したりすると、これらの数値は、てき面に低下します。

“在庫にありますか?” という問合わせ

カタログの更新は、最速でも年1度程度です。 カタログには、在庫で持っているクリンチングファスナーが明記されており、 上の説明画像にも沢山の○が付いています。 ですが、 何時も欠品せず全ての商品を在庫に持ち続ける事は不可能 です。 月所要量に基づいた計画的な手配を行っていても、 突如として在庫に残っている全部を出荷せねばならなくなるような場合があるからです。

何処のクリンチングファスナー・メーカーであっても、 カタログに○が付いているからといって、 全く欠品を起こさないというのは、実質的にありえません。
“ じゃぁ大量に持てば良いじゃないか ” という考えは単純過ぎます。 普通、企業が持てる在庫資産は、売上のせいぜい3ヵ月分程度です。 これは、まともな経営であれば、どこの企業でも共通であり、 これを、経営者は、1ヵ月分に減らしたい等と思っているというのが普通です。

会社が潰れそうになる程、在庫を沢山持ったとしても 1つ1つの在庫を考えた時、仮に1年分持っていたとしても、 特需が入れば一撃で欠品してしまうのです。

また、その特需後には、半年以上1件の注文も入らないといった事がよくあります。 そうなれば、管理上の不都合も発生します。 錆びる心配、置き場所の問題、 さらに、そういった品物が数年経って販売されて、 仮に不具合が発生したらどうなるでしょうか?  梱包した人、検査した人、作った人などが退職する心配、 めっき屋など協力会社が廃業する心配までもせねばなりません。 クリンチングファスナーと言えども生物と大差は無いのです。

長さ、6、8、10mmの売れ筋商品 であれば、 まず、そういった心配は、ありませんが、 それ以外のサイズでは、 突如の欠品を予防する術は全く無い のです。 これは、何処のクリンチングファスナー・メーカーでも同じ事です。
    関連ページ; 売れ筋のクリンチングファスナー
そこで、クリンチングファスナー・メーカーは、普段は争っていても相互間で、 協力し合い、ファスナーが無くなれば、 お互いに融通し合うといった事も行っていますが、 そういった事を行っても、効果は、ほとんどありません。 というか、大量に発注した1社は救われても、その後、同じクリンチングファスナーを必要とする 多くの板金屋さんは、次の生産まで待たされる事になるだけで、逆効果の感も否めません。
このような実状ですので、 クリンチングファスナー・メーカーの中間業者の方などは、 一日何度も、在庫数量確認の問合わせ をして来られます。
問合わせをして来られた場合、 運悪くギリギリの数量の場合は、 これに即答するというのも、なかなか難しいのです。 複数人数で同じ商品が指し抑えられてしまい、 つまり、ホテル予約で言うところのダブル・ブッキング状態に なってしまい、結局、お客様に出荷しようとしたら物が足りなかったという事もありえます。
コンピュータ・システムで、このダブル・ブッキング状態を ほぼ発生しない状態にする事は可能です。 これは、Eurotecさんも現実に実行しておられます。

このような状況の中で、 クリンチングファスナー・メーカー各社は、 そんなに在庫に持っているはずが無いのに、 沢山の種類のクリンチングファスナーを持っているかのようなカタログを作成する事が 営業テクニック となっています。 カタログには、在庫に持っているかのように記載されていても、実質的には全くあてにはなりません。  これらの理由から、設計者の方は、こういった 嘘つきカタログ を持って来たクリンチングファスナー・メーカーが、 優れたクリンチングファスナー・メーカーであるという評価をされるのは、如何なものかと思われますので、 ご注意をお願いします。

このような在庫変移であれば良いのですが、現実は、そう甘くはありません。

一般的な商品では、波が高過ぎるのです。

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