クリンチングファスナーの硬度


運営;クリンチングファスナー普及委員会
スポンサー;株式会社ユーロテック
クリンチングファスナーのめっき 最大のトラブル要因

クリンチングファスナーの硬度

クリンチングファスナーのカタログには、 圧入出来る板の 硬度こうど が明記されています。(例;HRB90以下)
クリンチングファスナーの硬度表記 板側の材料条件であるにも関わらず、 何故、引張強度や 降伏点こうふくてん が指定されていないのかと言うと、 クリンチングファスナーのサイズが小さいので、 引張試験片が作成出来ず、表面硬度しか測定できないからです。 そこで、表面硬度試験方法の中で最もポピュラーな ロックウェル硬さ(単位HRB)を用いて表現してあるわけです。 ここでは、ロックウェル かた さについての説明は行いませんが、この値が大きければ大きいほど硬いという事が重要です。

クリンチングファスナーの硬度は実は簡単

難しい話に聞こえると思いますが、実は簡単。クリンチングファスナーのカタログには以下の3つのパターンしか記載されていません。

クリンチングファスナーの3つの硬度
なぜ、こんなに解りにくい数値なんかを記載し、 “ ステンレスへの 圧入あつにゅう 可能 ” 等とは書いていないのかと言うと、 例えばアルミと一言で言っても、 アルミ合金の中には鉄よりも硬いアルミ(超ジュラルミン等)があったりするからです。 そのような混乱を避けるために、材質名等では明記せず、硬度の値を明記する事としています。

クリンチングファスナーが軟らかい場合 当然、クリンチングファスナー自体の硬度は、 板側の硬度よりも上となっています。 しかし、この関係を間違って、 HRB70以下と指定されているクリンチングファスナーをステンレス 鋼板こうはん圧入あつにゅう してしまうと、 クリンチングファスナーのローレットが変形してしまい、圧入に失敗してしまいます。

よくあるクリンチングファスナー硬度の勘違いと対策

ここで、勘違いが発生し易いのは、 ユーロテックさんの品番で言えば、RSTS-とRSTSS-の勘違いです。

クリンチングファスナー品番の意味 RSTS-は、HRB70以下です。クリンチングファスナーはステンレスで出来ていますが、 ステンレス鋼板ではなく、鉄(鋼板)に圧入する事を想定したものです。 このようなクリンチングファスナーは何処のメーカーでも存在します。 これに対して、RSTSS-は、HRB90以下で、ステンレスに圧入可能です。 よく間違えるのは、RSTS-がステンレスに圧入出来ると勘違いしてしまう というパターンです。 ステンレスに圧入したければ、RSTS-ではなくRSTSS-を使わないといけません。

クリンチングファスナー納期対応 また、板金屋さんがクリンチングファスナーの手配時に最も間違い易いのは材質 です。
具体的に言うと、RSTS-6.2-M3-10 を注文すべきところを RST-6.2-M3-10 を注文してしまうというパターンだそうです。 ユーロテックさんでは、電話(本当はFAXで注文をもらいたいそうです)で注文を受ける時には、 “ 鉄の××ですね ” とか “ ステンレスの××ですね ”などと復唱しているそうですが、 それでも、この種のミスは多く発生し、後で“交換して下さい”となる事が多いそうです。 設定者の皆さんにとっては、これが納期遅れに結びつき易いわけです。

それでなくても、
ねじ類の品番の伝達間違いが多い事は、最初から解っている事 です。
設計者の方が板金屋さんの、こういった間違いを減らす方法として有効なのは、少し面倒ではありますが、

クリンチングファスナーを記入する RST-6.2-M3-10 (鉄製 鉄圧入用)
RSTS-6.2-M3-10 (SUS製 鉄圧入用)
RSTSS-6.2-M3-10 (SUS製 SUS圧入用)

といった併記を行う事をお勧めします。

予防はとても重要です。
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