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20.インサーション・マシン3
部品点数の削減


22.インサーション・マシン5
4つのミス防止機能


21.インサーション・マシン4  プレスでまとめて圧入出来ないの?

インサーション・マシンを使ったクリンチング・ファスナーの圧入は、 必ず、1個づつの圧入となります。  そうしなければならない理由は、ファスナー圧入時に発生する 塑性変形そせいへんけい の体積が、極端に微少なものであるために、 板厚のバラツキの影響を受け、 圧入不具合あつにゅうふぐあい が発生してしまうからです。

  参考ページ1 5. クリンチング・ファスナー最大のトラブル要因
  参考ページ2 18.インサーション・マシン1 圧力制御

作業効率を考えれば、多くの金属製品に複数のクリンチング・ファスナーを 圧入する仕事がある場合、複数個を同時に圧入したくなります。  まして、AIDAさんなどの立派なプレスを設備投資されている工場の場合、 なおさらこれを使って、効率良く圧入したくなる事でしょう。


金型かながた 屋さんの見解

金型かながた 屋さんは、これまで数多くの種類の 塑性加工そせいかこう を行う金型を作成した多くの実績があり、 塑性加工マジックとも言えるような金型を作成して来た事を誇りにされている場合が多い。  板金屋の経営者の方も、塑性加工の事は、 金型屋さんに相談すれば良いだろうと判断しがちです。  プライドが高く、仕事が欲しい 金型屋さんは、板金屋さんから相談を受けると、

“複数のクリンチング・ファスナーの圧入が可能な金型なら作れます”

という答えを100%の確率で板金屋さんに返します。
金型屋さんにしてみれば、 このようなツールは金型と呼べるようなハイレベルのものでは無いとも言うでしょう。  それは、
直接板を塑性変形させるのはファスナー だからです。  金型設計者も、ベテランの技術は必要ありません。  入社ホヤホヤの一番若い人が行っても、大丈夫なレベルのはず。

しかし、クリンチング・ファスナーの圧入技術に限っては、 金型屋さんが過去に積み重ねて来た魔法のような技術も通用しません。  何故ならば、クリンチング・ファスナー圧入時に発生する、 塑性変形は、ほとんどの金型屋さんがこれまで経験した、 どの塑性変形よりも微細な変形体積を持つ塑性変形だからです。

もう少し、掘り下げますと、加圧力は小さいですが、この小さな体積に作用する『 応力おうりょく 』は、 やはり、金型屋さんがこれまで経験した塑性加工の中では最大です。  勿論、『 ひずみ 』も最大となります。  一般に塑性加工の世界では、『応力』と『歪み』が大きいほど難しい加工であると言われており、 これを聞いて “ 難しい加工だ ” と思わない方は、少し加工の勉強をされる必要があります。  最初は、その事に気付かない金型屋さんも、次第に、それに気付いて “ これ、結構難しい加工ですね ” と言うのが当り前です。

結果はこうなる

特に、複数のクリンチング・ファスナーを同時に圧入しようとした場合は、 それぞれのクリンチング・ファスナー圧入位置の板厚が同じではないために、 同一の圧入力でクリンチング・ファスナーを圧入する事が出来ません。  また、クリンチング・ファスナーのタイプ(スペーサー、ナット、スタッド)によって、 圧入力あつにゅうりょく は異なりますが、そういった機構を金型の中に入れる事は、ほぼ不可能です。  左図のような加工を行えば、加圧力は、主に板厚に支配された板厚圧入時の 反力はんりょく となります。  確実に3箇所の圧入力はデタラメな値 になってしまいます。 これによって、最悪はファスナーが外れてしまったり、 そこまでにはならないにしても、しっかりと固定されずにガタついたり、 一見、しっかりと固定されているように見えても、半数以上のファスナーは、 圧入部分の強度が不足してしまいます。  逆に、 圧入過多あつにゅうかた となりファスナーが割れてしまう場合もあります。

その後の実態

薄型テレビを大量に生産するようになった時、 大手家電メーカーと一次下請け企業では、 大量のファスナーを圧入する時の生産速度が問題になりました。  生産速度を重視して、プレス金型で対応しようとした企業と、 圧入不具合を恐れて、インサーション・マシンで正しく圧入した企業に分かれたのです。  結果は説明するまでもなく、プレス金型で対応しようとした企業の薄型テレビには 圧入不具合が大量に発生しました。

それでも、不具合として発見されるのは、 外れる、ガタ付く、割れるといった派手な現象が現れた時だけで、 それらが突如として発生したように見える訳です。  本当は、日頃から半数近くが不具合なのですが、 プッシュアウト試験などの 破壊試験はかいしけん を行うわけにもいかず、気付かなかっただけなのです。  日本の品質管理は、どうなってしまったのでしょうか?  薄型テレビは使い捨てなので、品質はどうでも良いと考えたのでしょうか?

そんな時に、クリンチング・ファスナーのメーカーには、 不具合品を出荷したという疑いが掛けられます。  メーカー側は、顧客である板金屋さんに言われるがままに、不具合を認めてしまう場合も多く、 事実とは異なる、不具合対策書を捏造せねばならなくなる事もよくあります。  設計者の方々が、そのような対策書を求めておられるはずが無い事は解っていても、 本当の対策書を書くと、板金屋さんやプレス屋さんが お持ちの金型などの設備が間違ったものである事を認める書類になってしまうからです。  そこには、理屈に合わない書類を作成せねばならない自己矛盾があります。

勝ち残る企業の条件について、 経験豊富な技術者や経営者の方の答えは1つです。  このように正しい生産方式と、安価ですが荒っぽい生産方式が競合した時、 勝ち残るのは、正しい生産方式の方である事は述べる間でもないでしょう。

不具合が無視出来ない以上
クリンチング・ファスナーは、そのメーカーを問わず、
プレスでまとめて圧入する事は出来ません。



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